とある製造部員の備忘録📓🖋 2頁目 ー構成刃先についてー

2024年04月01日

【2024年4月1日(月)雨のち晴れ】

今日の昼は、特製(特大)唐揚げ弁当だった。行きつけの弁当屋の店員に勧められるまま選んだのだが、味も良く、大満足のボリュームであった。やはりあの方は自分の好みを良く分かってくれているな・・・。が、正直ベルトがきつい。そういえば最近腹回りがだいぶ成長してきたように思える。冬の間コタツにあたりながら「煎餅かじる→喉渇く→みかん食べる→塩っ気欲しい→煎餅漁る」の無限ループを甘受してきたツケも回ってきているのだろう。“継続は力なり”と言うが、こう言う成長はあまり嬉しくない。・・・と言う様な事を考えていたら、「構成刃先」が急に思い浮かんだので、今日はコイツについて書き留める。

 

1)構成刃先とは

構成刃先とは、切削加工における圧力と高熱により加工硬化を起こした切粉などが工具の先端に溶着し、工具のようにワークを削ってしまう状態(左図:左側の黄色味掛かった部分)。雪だるま式にサイズが大きくなり、あるところで一気に剥がれ落ちる「発生→成長→分裂→脱落」のサイクルを繰り返す。 

 

【構成刃先のサイクル】

          ①「発生」・・初期の構成刃先が工具に溶着する。
          ②「成長」・・構成刃先が大きく成長していく。
          ③「分裂」・・先端付近から剥がれ始める。
          ④「脱落」・・完全に剥がれ落ちる。一部はワーク表面に張り付く。

 

2)構成歯先が及ぼす影響

構成歯先が及ぼす影響として以下の様な物が挙げられる。

表面粗さの低下
  構成刃先とは、ワークの材料が加工硬化したものである。つまり同じ材質(硬度)で切削
  しようとする為、切削面をむしり取るような状態になり、表面粗さが低下する。
  

寸法精度の低下
  「発生→成長→分裂→脱落」のサイクルに伴い、ワークの寸法に影響を及ぼす。
   《発生~成長》 切削量が増える⇒ 寸法は小さくなる 変化は比較的緩やかである。
   《分裂~脱落》 切削量が減る⇒ 寸法は大きくなる 変化は急激である。
          また、脱落した一部がワークに溶着し、表面粗さ及び寸法に影響する。

切削工具の欠損や寿命の低下
  工具に強力に溶着しているため、脱落の瞬間に工具の先端が欠ける事がある。
  工具が破損する事により、表面粗さや寸法にも影響が出る。

 

3)構成刃先が発生する要因と対策

要因と対策の概要は以下の通り。

【要因①】工具と材料の親和性が高い 【対策】硬度の高い工具を使用する
   ⇒問題点:硬度が高い工具は欠けやすいため、加工速度を上げにくい。

【要因②】切削箇所の温度が低い 【対策】加工速度を上げて工具刃先の高温を保つ
   ⇒問題点:速度を上げ過ぎると工具寿命の低下や欠けの原因になる。

【要因③】ワークが伸びやすい材質の時 【対策】切削油で切粉の排出を促す
   ⇒問題点:切削油により刃先が冷却され、逆に構成刃先が創成される要因になり得る

《補足》工具ごとに提示されている推奨使用条件があるので、大いに参考にすると良い。

 

切削加工において厄介な現象であるが、特性をきちんと理解すれば対策は可能である。すべての加工には、レベルアップのためのヒントが隠されているので、見逃さないように気を引き締めていかなければならない。
それはそうと、次回からは少しヘルシーな弁当を試してみるか。あのポニーテールの店員さんにおススメを聞いてみよう。またあの笑顔で親切に教えてくれるだろう・・・。まぁでもべつに他の店員でも構わないのだが。むしろ男の店員だってもちろん構わないけどね。ていうか、べつにそもそも女性の店員を狙って声を掛けているつもりも無いから大丈夫。
完全に偶然。問題無い。バレてない。良かった。

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