2025年05月02日
みなさん、こんにちは!
幾何公差シリーズの第二弾となります。今回解説するのは以下の公差です。
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- 平行度
- 直角度
- 傾斜度
- 線の輪郭度
- 面の輪郭度
1. データムとは? 『単独形体』と『関連形体』
本題に入る前に、幾何公差を理解する上で、必須になる要素を解説します。
幾何公差は大きく分けて『単独形体』と『関連形体』があります。“真っすぐさ”や“まん丸さ”など、単独の要素で成立する単独形体に対し、関連形体は“直角度”や“平行度”など、基準になる箇所との関連性で指定する必要があります。
■単独形体・・単独で指定する(対象)「形状公差」
■関連形体・・基準に対して指定する(対象)「姿勢公差」「位置公差」「振れ公差」
基準になる箇所を「データム」と言い、記号は四角で囲んだアルファベットが用いられます。基準面(線)に接する形で三角形を明示し、頂点とアルファベットと線で結んで明記します。
公差指定箇所については、公差記号・公差・データム記号をセットで明記します。
下図の例では、赤の破線部に平行度が指定されています。この場合、赤丸のデータムAで指示されている線を基準に、指定箇所は0.3の範囲に収まっていなければなりません。
お待たせしました。データムの理解が深まったところで、本題に入ります!
2. 姿勢公差 ~平行度・直角度・傾斜度・線の輪郭度・面の輪郭度~
今回は関連形体のひとつ、姿勢公差に属するものの解説になります。
①平行度
データムに対する「平行さ」を規定するもの。
下図の場合、傾きや歪みの最大値と最小値が0.3以内に収まっていなければなりません。
公差記号
②直角度
データムに対する「直角さ」を規定するもの。
下図の場合、傾きや歪みの最大値と最小値が0.1以内に収まっていなければなりません。
公差記号
③傾斜度
データムに対する直角以外の「角度」を規定するもの。
公差記号
④線の輪郭度
指定される線について、「歪み」および「データムに対する位置関係」を規定するもの。
公差記号
⑤面の輪郭度
指定される面について、「歪み」および「データムに対する位置関係」を規定するもの。
公差記号
という事で、今回はここまで!
④と⑤の輪郭度は、単独で設定する事も出来ます。必要に応じて使い分けていきたいですね。
それでは、幾何公差シリーズ第3段をお楽しみに~👋